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何でもDIY   ペルチェ素子 その2  2008/08/13
前回予想通りの結果に成らなかったペルチェ素子の実験。
パワーアップして再実験です。
 前回は予想通りの結果に成らず、失敗に終わってしまいました。
 そこで今回は、前回の「放熱しきれていない」問題を解決する為に、大型の放熱器を使って実験してみました。
 また、ペルチェ素子を2枚重ねる方法で、高出力を目指します。

[1.パーツ]
[2.実験]
[3.今後について]


1.パーツ
・ペルチェ素子
写真の通り2枚重ねて、熱伝導両面テープでしっかり貼り付けてあります。
2枚使う事で、発熱面と冷却面の温度差を広げることが出来ます。

購入元の秋月電子通商に掲載されている仕様。
◆最大電流:6A
◆最大使用電圧:15.4V
◆最大吸熱量:53.3W 最大温度差:68℃
◆サイズ:40x40x3.82mm
◆抵抗:約1.98Ω


・放熱器
前回の実験では発熱面の空冷が追いつかず、発熱面の熱が冷却面に回ってしまい、よい結果には成りませんでした。

そこで今回は、サイズ無視で巨大な放熱器を用意しました。
左の写真にあるPC用のCPUクーラーです。

このCPUクーラーは、その中でもかなり大型な物です。これに12cmファンを2つ着けてペルチェ素子の熱を逃がします。


・電源
別途作った実験用電源を使用します。

ペルチェ素子の仕様では、最大15.4V, 6Aとなっているので、ペルチェ2枚分の12A程度は確保しておきたいところです。
幸いこの電源は12V,34Aまで対応しているので、問題なく実験が行えます。


・温度計
以前の実験でも使用した、デジタル式の温度計です。
今回もこれを使います。

この温度計、反応速度というか、表示の更新周期が遅いのがちょっと欠点です。3秒に1回程度しか表示が更新されません。


・発泡板
ペルチェ素子外周の温度(室温)に影響されないように、ペルチェ素子の冷却面と温度計のセンサー部を発泡板で覆います。

なんだか忘れましたが、PCのパーツ箱に入っていた物を流用しています。






2.実験
▼準備

ペルチェ素子は、CPUクーラーに熱伝導両面テープで貼り付けてあります。
その上に発泡板を載せて固定しました。間に温度計のセンサーが挟んであります。
  

▼実験方法

2枚のペルチェ素子にそれぞれ3.3V,5V,12Vを与えることとし、[3.3V,3.3V][3.3V,5V]…[5V,12V][12V,12V]の9パターンで温度を計測します。
また、ペルチェ素子2枚を、CPUクーラーに近いほうを「ペルチェ(上)」、遠いほうを「ペルチェ(下)」と便宜上呼びます。
[○V,○V]の表記では、[ペルチェ(上)の電圧,ペルチェ(下)の電圧]とします。

▼実験

実験開始です。室温は28℃前後でした(写真右)。

 

まずは[3.3V,3.3V]から。
・・・。・・・・・・。あれ?電源が入らない・・・・・・・・・。いきなり失敗か!?
電源は3.3Vで30Aまで対応しているので、電源容量は問題ないはず。

焦りながらちょっと繋ぎ変えて[3.3V,5V]にしてみる。
これだと電源が入る・・・。

原因は分からないが、片方を[3.3V]以外に繋ぐと電源が入ることが分かった。
仕方なく[3.3V,3.3V]は諦めて、実験を続行。先行き不安^^;

気を取り直して [3.3V,5V] を試す。



氷点下7℃!
前回の実験の時よりも大分下がっている。


次! [3.3V,12V] 行ってみる^^



一瞬0℃位まで下がった後、どんどん温度が上昇していく・・・。
写真では36.4℃だが、実際は更に上昇していっているので、ここで中止。

やっぱり氷点下7℃位が限界なのだろうか・・。


また配線を繋ぎ変えて、今度は [5V,3.3V] を試す。

再び

氷点下13.7℃! 最初の氷点下7℃の時と、ペルチェの上下で電圧が逆になっているだけで、これだけの差がでた。

ペルチェ(上)にかける電圧 > ペルチェ(下)にかける電圧
にすると、効率よく冷却できそうな感じがする。

という感じで、残りのパターンを全て計測しました。

▼結果

それでは早速結果を見てみましょう!

3.3V5V12V
3.3V計測不可-13.7-20.4
5V-7.0-12.1-19.2
12V36.4
実験中止
31.6
実験中止
24.6
実験中止

一番温度が下がったのは [12V,3.3V] のときで、−20.4℃でした。

思っていた以上に温度が下がり、2枚重ねのときの電圧に対する温度の傾向も分かったので、実験は成功と言って良いでしょう。



▼追加実験

かなり温度が下がったので、このまま放って置いたらどうなるか?
と思い、発泡板を外してそのまま30分位放置してみました。
すると・・・。

凍った!
 
電源を切って氷を剥がしてみると、結構な厚さで氷結していました。



3.今後について
元々、夏にグラスを冷やす為に始めた実験です。
今回の実験は成功しましたが、実際にグラスを冷やすとなると、色々と考えないといけないことがあります。

・ペルチェの冷却面とグラスをどうやって密着させるか?
・サイズの問題(今のままでは、電源、放熱器が大きすぎる)
・発生する結露をどうやって取り除くか?

考えればまだまだ有りそうですが、今の所こんな感じです。
何かいいアイデアが浮かんだら、試してみたいと思います。




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